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税理士法人 板橋会計事務所は、 東京都墨田区にある税理士事務所です。会社情報はこちらからご確認いただけます。

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税務

マスクをしてる人

新型コロナウィルスの蔓延!

こんにちは、板橋敏夫です。

新型コロナウィルスが猛威を奮っているところ(令和2年3月10日現在)ですが、皆さんお変わりはありませんか?

幸いに弊所や顧問先等で罹患したという話は入ってきていませんので、その点は喜ばしいのですが、これから先の経済的な影響が心配です。

そんな中、アメリカのトランプ大統領が給与税の免除の意向を表明されました。日本でも麻生財相が減税について反対するつもりはない旨を述べています。

確かに減税は生活や経営の面でありがたいものですので僕自身も反対するわけではありませんが、その効果はいかほどのものでしょうか?

減税って対策になるの?

景気対策や生活支援の趣旨で減税政策が実施されることはあります。

結論から言って効果はあります。少なくともないよりはあった方がいいでしょう。

ただ、効果といいますか、趣旨や狙いによっては減税政策ってどうなんでしょうね?

10%の減税と1万円の補助金、どっちがいい?

例えば「1年間の所得税を一律10%免除します」という政策と「1年に1回1万円を支給します」という助成制度があった場合、皆さんはどちらを選びますか?

どちらが有利かは人によりますので正解はないのですが、給与収入400万円の方の場合、所得税は10万円に満たないことが多いです。つまり、10%の所得税を免除されるより、1万円の支給の方が得する計算になります。

今回のように広い救済制度が実施される場合、経済的に苦しいからそれを補うために税負担を軽くする…という流れになるわけですが、そもそも「経済的に苦しい=所得が少ない」わけですので、税制で対応するのはあまり効果的ではないんですよね。(税目にもよりますが。)

むしろ、例えば罹患された方に1日○千円を補助する、ですとか、検査費用を国が負担するといった、「困った人に直接援助をする」補助金や助成金の方が効果的だと考えます。

当たり前にある制度でも…

内容としては今回のような緊急時に限らず、今の税制にある制度でも同様のことが言えます。

一例で言えば医療費控除ですね。

病気や怪我でたくさん費用がかかったら税負担を軽くしないと大変だよね…という趣旨で設けられている制度で、それはまさにその通りなのですが、実際に計算する段まで下ろしてみると、所得の多い人ほど減税効果が多く、生活に苦しい低所得者ほど効果が薄くなります。

趣旨はともかく、制度設計上効果的に運用できないのであれば、別な方法を考えれば良いのであって、それは税制の中だけでやる必要はないでしょう。(現にコロナウィルスの検査費用を公費負担として運用されていますし。)

医療費控除を廃止し、その分の予算で医療費の自費負担を減らしたり、高額療養費の水準を下げるなどした方が、困っている人への助けになるだろうと思います。

減税だからといって手放しで喜ぶのではなく…

減税は誰でも嬉しいものです。自分の手持ちのお金が増えますから。

ただ、弱者救済は税の苦手分野なんですよね。一律に支給する補助金は「バラマキだ」と批判されることも多いのですが、低所得者対策においては減税よりもマッチした政策だと思うんですよ。

「減税」という魅力的な言葉だけに惑わされず、何のための制度で、そのためにより良い政策がないものか…といった点も意識していきたいですね。

税は取られるだけじゃなくて、使われ方も問題で、それを監視するのは僕ら国民の役割ですしね。

 

何はともあれ、新型コロナウィルスが沈静化することを祈ります。早くワクチンや特効薬ができないかなぁ。

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